• 不妊の原因
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2016.01.12

どうして不妊になるの?


㉒

 

厳密な意味での不妊は「医療の助けなしには妊娠することのできない状態」のことを言います。ただし、実際にはこのようなカップルはまれで、一般的には、妊娠するチャンスがほかの人より少ない状態、妊娠できる確率が毎月25%もなく5%ほどしかないというような「妊娠しにくい状態」のことを指します。

不妊は年々増加の傾向にあり、現在、日本ではふうふうの10組に1組、役100万組のカップルが不妊に悩んでいると言われていますが、妊娠しにくくしている原因はカップルによってまちまち。当然のことながら、原因によって治療法も異なります。また、不妊原因は女性だけでなく男性にもあり、WHO(世界保健機関)の調査によればカップルのおよそ半分近くは男性にも原因があります。

 

不妊の主な原因

  • 排卵に問題がある
  • 卵管に問題がある
  • 精子・精液に問題がある
  • 子宮内膜症
  • 着床に問題がある
  • 子宮頸管に問題がある
  • 精子に対する抗体ができる
  • 夫婦生活がうまくできない
  • 原因不明不妊

 

1     不妊の増加の背景には生活環境の変化や社会的要因が

WHOは、この半世紀ほどの間に男性が1回に射精する精子の数が少しずつ減少し、生殖能力が低下していると発表しています。このことについて、多くの学者や専門家は、大気汚染・海洋汚染などの自然破壊、フロンガスを原因とした宇宙からの有害放射線の増大、高度に発達する文明社会の中でストレスの増大などを指摘し、これらが複雑に影響しあった結果ではないかと言っています。

現代のライフスタイルは大変便利なものになりましたが、一方で運動量が減り、人間の体力や持久力がどんどん低下していくということにつながっています。豊かになった食生活の裏では、栄養過多による肥満と、それに伴う生活習慣病の増加が問題になっています。食品添加物や農薬などの影響も心配されています。

急激で加速度的に変化する現代の生活環境が、カラダの虚弱化や心身の疾病を増大させ、不妊を助長する一因になっていることは疑いようもありません。

 

2     妊娠しやすさは年齢次第?

不妊の増加を考える上では、生活環境による影響もさることながら、日本人のライフスタイルの変化も見逃せません。その筆頭に挙げられるのが、晩婚化です。今や日本人の平均結婚年齢は、男女とも25歳を過ぎています。一般に、女性のカラダは20代前半が妊娠や出産に最も適した年齢と考えられています。その後、年齢とともに徐々に妊娠しにくくなり、35歳を過ぎると、妊娠率は急激に低下します。

高齢になるほど赤ちゃんが授かりにくくなる一番の原因は、卵子の質の低下です。精子が日々新しくつくり出されるのに比べ、女性の場合、胎児の頃にすでに女性が一生の間に排卵する卵子が作られています。ですから、20歳に排卵した卵子は卵巣の中で20年、出番を待っていた卵子、40歳で排卵した卵子は40年間その日を待っていた卵子ということに。

人間の女性は20代の卵子が最も生殖に適していることから、やはりピークを過ぎて生殖能力が低下して卵子では、妊娠率が低下するのは仕方のないことです。つまり、今の女性の多くは妊娠・出産のピークを過ぎて結婚しているわけです。これでは赤ちゃんができにくくなるのも当然でしょう。

 

3     妊娠を強く望むなら「先手必勝」

不妊治療をすれば年齢に関係なく妊娠できると考える人も多いようですが、不妊の治療においても。女性の年齢は如実に妊娠率・出産率に反映されます。たとえば、非配偶者間人工授精を行った場合、35歳以上の女性の治療一回あたりの妊娠率は、25歳以下の女性の半分くらいです。また、体外受精では、30代前半では35%の人が妊娠していますが、40代以上の場合では2割程度しか妊娠できていません。また、流産も年齢が高くなるにつれ増えていきます。こうしたことからも、女性の年齢が35歳を超えている場合は1年、38歳を超えていれば半年、妊娠しなければ、病院を受診しましょう。