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2016.02.29

体外受精を知っておこう!


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1     排卵誘発剤の注射をする

よりたくさんの卵子を採取すするために、排卵誘発剤の注射をします。排卵誘発剤の注射法は、GnRHアゴニスト(排卵抑制のために使う点鼻薬のこと)を使用するロング法とショート法、GnRHアンタゴニスト法などいろいろな方法がありますが、ここではロング法を例にとって説明します。

  • 前週期21日目~(排卵抑制剤の使用をスタート)

排卵をコントロールするために、鼻からスプレキュア(噴霧)をします。この薬には排卵を促す黄体化ホルモン(LH)を抑える働きがあります。採卵の直前まで続けます。これにより、採卵前に排卵してしまうことを防ぎます。

  • 月経

  • 月経3日目~(排卵誘発剤を注射)

たくさんの卵子を作るために、直接卵巣を刺激する卵胞刺激ホルモン(FSH)の注射をします。通常は通院し上腕や臀部に注射しますが、毎日病院に行くことができない場合は、自分で臀部に注射することも可能です。

  • 月経から8日経過(卵胞の数と大きさをチェック)

超音波で卵胞の大きさをチェックします。その後も、超音波で細かく卵胞の大きさをチェックします。血中のホルモンを調べることもあります。

  • 周期12日目頃(排卵を起こす薬を注射)

卵胞が18~20ミリになったら、HCG注射を打ちます。この注射によって、卵子の最終成熟を促します。

 

2     採卵・採精をする

  • 排卵日(採卵する)

HCG注射をして34~36時間後、成熟した卵胞が破裂する前に採卵します。排卵する直前の成熟した卵子を採卵します。卵子がとれたら夫は精子を採取します。精子は洗浄、濃縮などの処理をし、運動性のよいものだけを集めます。

◎卵子の採取

採卵針を膣から挿入し、卵巣に刺し、ひとつひとつの卵胞を卵胞液ごとに吸引します。卵胞液を採取したら、シャーレの上に広げて顕微鏡で観察します。卵丘細胞というキラキラ光る細胞が、卵子の周りを放射状に取り囲んでいます。卵子を見つけたら、卵丘細胞と一緒にていねいに培養液の中に移します。この培養液は卵管の中にある液の組成によく似たもので、卵子や精子にとって快適な環境です。採卵は10分ほどで終了します。麻酔をするので強い痛みは感じずに終わります。麻酔が切れるまで安静に過ごします。

◎精子の採取

指示された場所で、容器内に射精します。採取された精液に、パーコール液などの処理液を加え遠心分離機にかけます。それにより、生きている精子と死んでいる精子に分け、元気な精子だけを選別することができます。体外受精当日、来院して採取できない場合は事前に採取し、冷凍保存しておくことも可能です。

 

3     受精させる

採取した卵子の入っているシャーレの中に、元気のいい精子を入れて受精を待ちます。シャーレ内の培養液の中に入った精子は、卵子の周りに集まります。そのうちの1匹の精子が卵子の中に入ると受精します。

 

4     培養する

翌日、受精卵を顕微鏡で見ると卵子と精子、すなわち女性と男性由来の2つの核が見えます。2つの核が顕微鏡で観察でき、受精が確認された卵は新しい培養液に移してさらに培養します。その翌日には受精卵は4個の細胞に、3日目には8個の細胞に分割し、さらに5~6日目には着床直前の胚盤胞に成長します。

 

5     胚移植

受精卵が分割卵、あるいは胚盤胞の段階まで育ったら、受精卵を子宮の中に戻します。受精卵を少量の培養液とともに細かいカテーテルの中に入れ、このカテーテルを子宮の中に挿入して、受精卵を子宮の中に注入します。これを胚移植といいます。通常は多胎妊娠を避けるため、1個の受精卵を戻します。残った受精卵は凍結保存します。処置自体の痛みはなく、受精卵を戻したあとは、1~2時間ベッドの上で安静にしてから帰宅します。

 

6     着床

子宮の中に入った受精卵は数日のうちには子宮内膜にもぐり込みます。これが着床です。

 

7     妊娠判定

胚移植から2週間後に尿または血液で妊娠判定を行います。その1週間後に超音波で胎嚢確認します。