• 不妊の原因
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2015.12.14

卵子の衝撃「妊孕性(妊娠のしやすさ)は低下する」


⑪

1     半年かけて発育しても悪い卵子もある

妊孕性(にんようせい)とは妊娠のしやすさのことです。卵子がどんどん古くなって数が減っていくと、妊娠は不利な状態となっていきます。女性の人生の中で最も妊娠しやすいのは22~23歳くらい。どんなに健康に過ごしているとしても、35歳の妊娠のしやすさは22歳の半分くらいになってしまうのです。

卵子のもとである原始卵胞は生まれたときすでに女性の体の中にあります。そして卵巣の中に蓄えられていた原始卵胞が成長し、約半年かけて成熟卵胞になります。ずっと保存されていた原始卵胞が、出荷されるのにかかる期間が約半年ということですね。しかし、卵子の老化や質の低下が進むと、育つ卵胞がどんどん少なくなるだけでなく、やっと育った成熟卵胞が変性卵(卵そのものは死んでいるがまわりの細胞が生きている状態)だったり、空胞(中身が空っぽ)だったりすることもあります。

 

2     いつから妊娠しにくくなるのはかはわからない

生理があるうちは妊娠できると思っている人が多いのですが、だいたい閉経の10年くらい前からほとんどは妊娠はできません。例えば53歳で閉経した人は、43歳の時点でもう妊娠ができない状態となっています。45歳で閉経した人なら35歳です。

ですから 『生理があるから私はまだ妊娠できる』 と思っていてはいけません。

いつ閉経するか(いつ妊孕性が低下するか)は、日常生活では気づけないのです。

さて、どのように閉経していくのでしょうか。

原始卵胞はいくつか発育して約半年で成熟します。しかし、成熟の途中でしぼんでいく卵がたくさんあります。その周期でたまたま月経周期に都合のよい卵胞が1個残り、その成熟卵胞ホルモンを分泌し、月経周期をつくります。ですから、月経が正常に起こります。

では、原始卵胞が少なくなっている場合はどうでしょう。残っている原始卵胞がたとえば1個しかなくても、それが成熟卵胞まで育てば月経は正常に起こります。原始卵胞はなくなる直前かもしれないのに、月経周期からはそれに気づけないのです。「生理がきているからまだ卵子は十分ある」と勘違いしてしまいます。

医学的に閉経とは、月経がこない状態が12か月以上続いたときに判断されますが、まさに「なくなってはじめて閉経とわかる」状態です。

妊娠を望んでいる場合、これでは困ります。

そこで役に立つ検査が「AMH(アンチミューラリアンホルモン)検査」です。卵巣予備能の検査です。

これは、卵子が卵巣にどのくらい残っているかを予測するのもで、「不妊治療があとどのくらいできるか」の検査になります。