• 不妊の原因
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2015.12.09

実は子宮筋腫・子宮内膜症であったとしても妊娠できる!


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子宮筋腫も子宮内膜症も不妊症の一因だとは思いますが、でもそれらの疾患を持っている人が絶対に妊娠しないかというと、決してそうではありません。自然妊娠して妊婦健診に行き、そこで初めて「筋腫がありますね」と言われる人も多くいます。つまり直接的な原因ではないということです。

 

子宮筋腫とは

子宮筋腫とは、子宮内にできる良性の腫瘍のことで、自覚症状がほとんどいないのが特徴です。それ自体が命にかかわるものではありませんが、後述する子宮内膜症と同様、できる場所によって不妊症の一因となります。大きくふくらんで子宮内腔の変形が起これば、着床や精子の侵入を妨げる可能性がありますし、できる場所によっては、卵巣と卵管の位置関係を悪くしてピックアップする障害を起こすことも考えられます・

 

子宮内膜症とは

子宮内膜症は、生殖年齢女性の約1割にあると言われています。子宮内膜症の組織が卵巣や子宮の外側など本来の子宮内腔以外で発症する疾患です。卵巣の表面にできれば排卵しづらくなりますし、卵管の周囲にできること癒着が起こりピックアップ障害の一因となります。子宮内膜症の一種で、卵巣の中に古い血液が貯留してチョコレートのように見えるのがチョコレート嚢胞(うほう)です。

いずれにしても子宮内膜症の存在は妊孕性(にんようせい)を低下させ、不妊の一因となります。病気が認められた場合には積極的にステップアップ治療をしていくべきだと考えています。

 

手術はしたほうがよい?しないほうがよい?

妊娠を妨げている一因となる可能性があるならば、早く手術をしたい、そう思う方もいるでしょう。しかしここは冷静に考える必要があります。

まず子宮筋腫ですが、手術したほうがいいかどうかは明確な基準がありません。一般的には4~5センチほどの大きさ、または小さくても子宮内膜を圧迫しているようなら取ったほうがいいと言われています。ただ先程も説明したとおり、あっても妊娠する人もいます。ですから、しばらくは様子をみながら不妊治療を進め、状況によって手術するかどうかをここに判断しているというのが現状です。

筋腫は血流が悪くなると考えられますから、あまり大きいものは切除したほうがその後の妊娠率もいいようです。

一方、子宮内膜症の場合・・・

残念ながら「内膜症はすべて手術すべき」と診断するドクターもいるようですが、これは大きな間違いです。原始卵胞はどこにあるかというと、卵巣外側の1ミリ以内の表面にくっついています。チョコレート嚢胞があれば、それが風船みたいに広がって腫れています。

「チョコレート嚢胞があるから切除しましょう」とバサッと切ってしまったらどうなるか・・・

そう、原始卵胞がなくなってしまいます。「妊娠の準備のため、内膜症の手術をしました。きれいに治ったので不妊治療を始めたいと思います」といって、クリニックに行かれる方もいらっしゃるようですが、時すでに遅し。卵がわずかしか残っていないのです。

「(生理痛などで)おなかが痛い」という症状で婦人科にかかると、このようなことが多々起こります。手術を進めたドクターも決して意地悪をしたわけではありません。痛みを取るためには手術が一番です。

チョコレート嚢胞の場合、嚢胞に溜まった血液を吸引してしぼませ、体外受精を行います。妊娠すれば月経が止まりますので進行を抑えることができます。妊娠・出産後は一番良い子宮内膜症の治療になります。

子宮筋腫、子宮内膜症ともに30代以降では珍しくない病気です。治療法を考慮しないと妊娠が望めなくなってしまうかもしれませんから、不妊専門医に相談しましょう。