• 体質改善
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2015.12.25

妊娠しやすいカラダづくりその④ 「漢方」


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1     妊娠しやすいカラダづくりを漢方でサポート

不妊治療で漢方を使う場合、冷え性や月経のトラブルを改善する目的が多いようです。

不妊の原因で一番多く見られるのが、「血」の滞りによる「瘀血(おけつ)」と言われています。これは、運動不足、冷えなどで血液の流れが滞り、子宮や卵巣に栄養分やホルモンがいき渡らなくなる状態。子宮が瘀血の状態にあると、月経不順、月経痛、不正出血、子宮筋腫、子宮内膜症などの症状を引き起こすと考えられています。

便秘や冷え性、月経痛がひどい場合などで瘀血と診断された場合には、漢方の力で瘀血を改善すると、根本的な体質が変化していきます。血流がよくなることで、体調がよくなり、妊娠しやすい体内環境に移行するので、西洋医療の効果も相乗的に上がると期待されています。また、卵巣機能不全や多嚢胞性卵巣症候群などでは、長く治療していると薬の副作用が出てくることがあります。そんな場合にも漢方を併用することで、体への負担が軽減されることがあります。瘀血の治療には、血のめぐりをよくする漢方薬が処方されます。血行をよくし補血効果の高い「当帰(とうき)」や「千芎(せんきゅう)」が配合されることが一般的です。

 

~不妊治療でよく使われる漢方一覧~

☆女性☆

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)⇒月経不順、月経痛

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)⇒月経痛、不正性器出血、無月経、子宮内膜症など

・温経湯(うんけいとう)⇒月経不順、腹部の冷えなど

・加味逍遥散(かみしょうようさん)⇒イライラ、ストレス、ホルモンバランスの調整など

・十全大補湯(じゅうせんだいほとう)⇒体力増進、慢性疲労症候群など

★男性★

・八味地黄丸(はちみじおうがん)⇒精子減少症

・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)⇒精子無力症など

 

2     漢方医療を受けるにあたっての注意点

漢方で体質が改善し、妊娠しやすくなるということは多くの実例があります。ただ、漢方薬を服用することで必ず妊娠しやすくなるという保証されているわけではありません。漢方医によっても診断や処方が変わり、その効果の現れ方も人それぞれだということは知っておくべきでしょう。そして不妊治療において優先すべきことは、まず西洋医療で絶対的な問題点がないかどうかを検査することです。卵管に癒着があったり、子宮内にポリープがあって着床を妨げている場合などは、漢方で治すことはできないからです。不妊の原因をしっかりと確認してから、漢方治療を併用するようにしましょう。

 

3     不妊に有効な生薬とその効果

不妊治療で使われる主な生薬を紹介します。個人の症状や体質に合わせて、いくつかの生薬を調合し、オリジナルの漢方薬が作られます。また、市販の漢方薬は、これらの生薬をブレンドしたものです。

 

・当帰(とうき)⇒セリ科カラトウキの根。血に栄養を与え、循環を活性化させます。貧血症、月経不順、更年期障害など、婦人科の要薬として使用します。

・芍薬(しゃくやく)⇒キンポウゲ科、ボタン科シャクヤクまたは近縁種の根。筋の痛みや緊張をゆるめ、血行不良の腹痛に用います。

・千芎(せんきゅう)⇒セリ科千芎または同属植物の根茎。月経不順、活血作用、鎮痛作用などがあり、血のめぐりをよくします。

・地黄(じおう)⇒ゴマノハグサ科アカヤジオウの根。滋養強壮効果が高く、血に活力を与えます。貧血、虚弱症の体質改善に使われます。

・牡丹皮(ぼたんぴ)⇒キンポウゲ科ボタンの根皮。婦人科疾患、月経不順、月経困難など、停滞する血行障害のあるものに応用します。

・丹参(たんじん)⇒シソ科タンジンの根。停滞する血をサラサラにして動かし、循環を促進します。また、精神を鎮め、イライラを和らげる効果もあります。

・山茱萸(さんしゅゆ)⇒ミズキ科サンシュユの果実・果肉。腎の不調を改善し頻用や尿もれなどに効果があります。そのほかED(インポテンツ)などにも使われます。

・大棗(たいそう)⇒クロウメモドキ科のナツメの果実。血に滋養を与える効果がありますが、ほかの生薬の薬理作用の衝突を和らげる働きもあります。

・枸杞子(くこし)⇒シナス科クコの果実。滋養強壮剤として肝腎などに効き目があり、性不能症、腰痛、めまい、耳鳴りなどに使われます。

・紅花(こうか)⇒キク科ベニバナの花弁。薬膳の素材としても知られる紅花は、血行の流れを改善します。月経痛や月経不順などの婦人病に効果的です。