• 不妊治療
  • 人工授精(AIH)
  • 体外受精(IVF)
448
2016.02.26

体外受精(IVF・ET)をお考えなら必見!


㊼

 

人工授精を数回行っていても妊娠にいたらなかった場合、体外受精―胚移植へのステップアップを考えます。体外受精は、妻の卵巣の中から取り出した卵子と、夫から採取した精子を、培養液の中で受精させ、受精卵を子宮に移植して着床させる方法です。卵胞が発育する→排卵する→精子との出会い受精→受精卵が子宮に入る、という長い過程の多くの部分をバイパスできるので、ほとんどの不妊原因に対してとても有効な治療法になります。また、人工授精の1回の成功率が10%前後なのに対し、体外受精の成功率は30~40%と、妊娠の確率がかなり高くなります。ただ、この妊娠率も妻の年齢次第。35歳以下なら40%ほどですが、40歳を超えると10%程になり、44歳を超えると体外受精をしても妊娠の可能性はきわめて低くなります。日本産婦人科学会によると、2006年に体外受精で生まれた赤ちゃんは1万9587人。国内の出生数の56人に1人の割合となり、体外受精はすでに日常的な医療行為ともいえます。医学の進歩に加えて、不妊治療に対する認識も高まり、生殖補助医療に対する抵抗感が少なくなったという背景もあります。

 

体外受精のメリット・デメリット

体外受精へのステップアップするときは、体外受精と一般不妊治療(人工授精を含む)のメリット・デメリットをよく考えてみましょう。

◎体外受精のメリット

体外受精のメリットは、なんといっても妊娠率が高いということです。周期あたりの妊娠率は、タイミング指導の8倍、人工授精の4倍程度と考えてよいでしょう。原因不明妊娠の多くにピックアップ障害があるのではないかという説もあります。ピックアップ障害とは、排卵された卵子を、卵管采が卵管の中にうまく取り込めない状態をいいます。精子と卵子が出会えないので、体外受精でないと妊娠はできません。ほかにも体外受精でないと妊娠不可能なケースもあります。これまでいろいろな治療を受けて妊娠しない場合には、思い切って体外受精を受けることをおすすめします。

 

まず、一般不妊治療に比べて、身体的にも経済的にも負担が大きくなります。排卵誘発剤の注射を毎日受けたり、麻酔をかけて採卵を行ったりといった負担が挙げられます。ただ、排卵誘発剤は自己注射することもできますし、排卵誘発剤をあまり使わない低刺激法もあります。採卵についても、無麻酔で行っているところもあるくらいで、麻酔をかければ強く痛むことはありません。排卵誘発剤の副作用として、以前は、卵巣が腫れたり腹水がたまったりする卵巣過剰刺激症候群がよく起こりましたが、最近は新薬の登場や薬の使い方の進歩によりほとんど起こりません。そのほかのリスクとして、採卵後に腹腔内出血や腹膜炎などが起こることがありますが、非常にまれです。経済的な負担としては、保険が適用されないため、数十万円の費用がかかります。ただ、これも補助金が出るようになっています。生まれてくる子の安全性については、長期予後は不明ですが、先天異常や染色体異常の率は、通常妊娠と変わらないという報告が多いようです。