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2016.02.02

産婦人科・不妊治療院の選び方と付き合い方


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赤ちゃんを授かりたいと思ってから、どのくらい受診すればよいのでしょうか。最近では不妊と判断する目安を1年とするのが主流になっています。年齢を重ねれば、確実に妊娠はしづらくなります。不妊の治療が早ければ早いほど、妊娠しやすくなるともいえます。こうしたことからも、1年以上妊娠しなければ、できるだけ早く診察を受け、治療を始めたいもの。年齢の高い人であれば半年程度でもクリニックへ行ってみましょう。

1     不妊外来のあるクリニックで受診するのが近道

「どこに行けばいいのかわからない」という人はまず、インターネットや不妊治療の専門の雑誌や本などで、不妊外来のある病院や不妊治療専門のクリニックを探しましょう。一般的な不妊治療は多くの産婦人科でも受けることができます。妊娠した場合は、そのまま出産まで診てもらえるので安心ですが、妊婦や赤ちゃんと同じ待合室で、つらい思いをすることもあるかもしれません。その点、専門クリニックは妊婦はいませんし、豊富な症例にもとづいた専門的な技術や実績が期待できます。治療が始まると頻繁に通院することになるため、できれば自宅から通いやすいところがおすすめですが、治療方針などで希望を受け入れてくれなければ意味がありません。あまりにも負担が大きいのも困りますが、信頼して安心できるクリニックであれば,多少遠方でも通院する価値はあるでしょう。また、高度な医療を受けられる大学病院など大きな病院のほうがよいのでは、と考える人もいるかもしれませんが、担当医がその都度替わったり、待ち時間が長い割に診察時間が短いといったデメリットも少なくありません。そうしたことからも、病院の規模にとらわれるのではなく、きちんと不妊治療を行っているクリニックを選びたいもの。また、仕事を続けている女性にとっては、日曜や夜間に診察を行っているクリニックなど、自分のライフスタイルに合わせて通院できると所を探すのも大きなポイントになります。

 

2     治療方針はクリニックによってまちまち。信頼のおける専門医に相談を

不妊治療の方針というのは、それぞれの受診する側や不妊原因によるのはもちろんのこと、クリニックによっても大きく変わります。ここで一番問題になるのは、病院や医師による「不妊治療の考え方」といえるでしょう。不妊治療は排卵日付近の性交(タイミング指導)、人工授精や排卵誘発剤の利用といった一般的な治療から、体外受精・顕微授精などの高度な生殖補助医療まで、幅が広いものになります。しかも、一般治療だけで妊娠可能なのか、もしくは生殖補助医療が必要かどうかというのは、実際に治療を進めてみなければわかりません。本来は、必要最小限の治療で妊娠を成立させるのが不妊治療の基本だと思いますが、実際の治療の進め方は、クリニックや医師の考え方によってかなり差があるのが実情です。生殖補助医療をすぐ実施したほうがいいと考える医師もいますし、逆に一般治療を長く試みる医師もいる、といった具合なのです。ですから、どういう治療法を選択するべきかじっくり相談でき、納得のいく治療をしてくれるクリニックを選ぶことがとても重要なのです。

 

3     不妊は夫婦で共に治療するという意識を

不妊原因の多くは、女性に問題があると考えられがちですが、現在ではその原因の男女比は、ほぼ半々と考えられています。その事実をしっかりと受け止めて、男性には「女性と一緒に治療して不妊を乗り越えていく」という意識を、ぜひ持っていただきたいと思います。男性側の検査についてはのちほど詳しく説明しますが、まず男性が診察を受けたいと思ったら泌尿器科を受診するか、もしくは女性が不妊外来を受診する際に、同行するとよいでしょう。もし、男性の受診が難しいようなら、女性が精液を持参してもかまいません。ただし、その場合は自宅で精液を採取して、体温程度の温度に保ったまま持参し、採取後2時間の間に検査を受ける必要があります。なお、男性に不妊の原因があると判明した場合には、泌尿器科で診察や精密検査を受ける必要があります。産婦人科での精液検査でもし異常がみつかったら、泌尿器科医を紹介してもらうことになります。