• 不妊の原因
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2015.12.14

卵子の衝撃「残っている卵子の数には個人差がある」


⑫

1     AMHはどんなホルモン?

女性はみんな、生まれる前に最も多く卵子をもっています。そして年齢とともに日々その数は減っていくわけですが、もともとの数や減り方には大きな個人差があります。同じ30歳でも、卵巣内に残っている数はバラバラ。自分の卵子が今どのくらい残っているか、その目安となるのがAMH(アンチミューラリアンホルモン)の数値です。AMHは月経周期にかかわらず、いつでも血液検査で測ることができます。

AMHは昔は、抗ミュラー管ホルモンと言われていました。現在では女性にとって重要なホルモンとなり、原始卵胞が成熟していくときに分泌されるホルモンです。ここで間違えてほしくないのは、このホルモン値は卵巣内の卵子の数を表しているのではないということ。実際の卵巣の中をみているわけではありません。卵子を保管する倉庫(卵巣)の中は直接のぞくことはできないけれど、そこから出てくる荷物(ホルモン)の量をみて、倉庫内の在庫の量(卵子の数)を推測しているのです。

卵子の減少には個人差があり「私は30歳で若いからまだまだ大丈夫」とは誰も言えないということ。30代でもAMHが0に限りなく近い人もいますし、40歳を過ぎていても比較的多く残っている人もいます。

年齢と卵巣予備能は、全く相関しないのです。

30歳になったら未婚でも既婚でも一度AMHの検査を受けておいたほうがいいでしょう。自分に残された卵子はどのくらいなのか、その目安がわかればその後の人生設計や妊娠・出産に対する考えが変わると思うからです。年齢だけで「大丈夫、周りの友達もまだ妊娠を考えていないみたいだし」と判断し、いざ治療しようと思ったら自分だけ卵がないということになりかねません。「同級生が大丈夫だから自分も大丈夫」ではないのです。

 

2     AMH値でわかるのは不妊治療ができる期間の目安

「AMHの値が低いと不妊症で、低くないと妊娠ができるのか」

答えはNOです。このあたりはについては、医療関係者の中にも勘違いしている人がいるようですが、決して妊娠が難しいわけではありません。

AMHは言ってみれば、「不妊治療ができる期間の目安」です。

「数が少ないから、治療できる回数や時間が限られている。だから時間をロスすることなくどんどん進めていきましょう」ととらえてもらいたいと思います。自然妊娠できている人の中にもAMH値が低い人は多いと思います。AMHの値と妊娠率は関係ありません。

卵子の数が少なくても、結果的に受精卵ができれば妊娠は可能なのです。

ですからAMH値がほとんど0だったとしても落胆することはありません。「残された時間は少ないから、短期間で集中して治療しよう!」と行く気持ちになって頂ければいいなと思います。

✖ AMH値が低い=妊娠できない

〇 AMH値が低い=不妊治療できる期間が少ない

ということです。