• 不妊の原因
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2016.01.26

あなたが不妊の理由は…子宮頸管因子?


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1     子宮頸管因子とは

子宮腔と膣をつなぐ長さ2~3センチの筒状の管を子宮頸管といいます。このトンネルの壁からは、月経周期のサイクルで頸管粘液が分泌されています。通常は、細菌が子宮に入るのを防ぐ環境になります。頸管粘液がよく分泌された状態になっている排卵前に性交があると、射精された精子がこの頸管粘液の中に蓄えられ、そこから順次、卵管のほうへと精子が送り出されると言われています。排卵日当日の性交より、排卵日前の性交のほうが妊娠しやすいというのはこのためです。そして排卵が終わると、頸管粘液はかたく粘り気がなくなり、排卵から2日経つと、もう精子はその中に入っていけなくなります。

 

2     頸管粘液の異常と治療法

排卵日頃に性交をして、その数時間後~数日後に頸管粘液を採り、その中で精子が動いているかどうかを調べるのがヒューナーテストです。このヒューナーテストを何回しても、頸管粘液の中に精子がほとんどいない人がいます。この原因として、頸管粘液に異常がある、抗精子抗体がある、性交がうまくできていないという3つのケースが考えられます。頸管粘液の異常としては、頸管粘液の酸性度が高い、頸管粘液がかたい、頸管粘液の量が少ないといった症状がありますが、その多くは原因がわかりません。原因がはっきりしているものの一つは、排卵誘発剤の副作用です。クロミフェンを用いて排卵誘発を行うと、そのうち15%ほどの人で頸管粘液の量が少なくなります。この場合には別の排卵誘発法を用いる必要があります。そのほか、早期がんの手術で子宮頸部の円錐切除法を行った場合には、頸管粘液を分泌する部分を切除するため、頸管粘液がほとんどでなくなることがあります。頸管粘液を改善する治療法として、卵胞ホルモン剤を用いることもありますが、ほとんど効果はありません。せっかく射精された精子が、子宮頸管でブロックされてしまい子宮腔に入れないのですから、子宮頸管をバイパスして、子宮腔まで直接精子を送り込む人工授精(AIH)が最も有効な治療法となります。